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会社から地域へ!まるごとギャラリー2021の参加作家の皆さんにインタビュー

光造形作家 田中清隆さん

まるギャラ協力企業の(株)坪倉興業さんにてお話を伺いました。

田中さんは参加アーティストであり、総合プロデューサーでもあります。この展覧会について教えてください。

まるギャラはプレイベントとしてワークショップを開催した2012年から数えると10年目になります。2013年からは展覧会とその展示に関連するワークショップを行っています。「会社まるごとギャラリー」と称して山陽印刷(株)さんの工場や会議室などで展示を始めました。普段会社の方々が働いている空間でアートの展覧会をする試みです。少しずつ協力してくださる企業が増え、その企業にも作品を展示させてもらいました。
昨年からはコロナの影響のため屋外展示のみにしました。「会社から地域へ!まるごとギャラリー」と名称を少し変え、横浜市金沢区の産業地域をまるごと美術のギャラリーに見立てます。作品を見てまわりながらこの産業地域を巡る楽しさも感じていただけたらと思います。

今回の作品について教えてください。

普段は光を素材として作品を制作しています。ライトなどの光源を使ったり、太陽光を作品に利用しています。今回の作品も今までの考え方の続編で、直接そのものが光らなくても光を取り入れることを意識しています。
今回の展示では光の現象の一種である「虹」を自分の作品のテーマとしています。「虹」は自然現象の風景の一つなので、その要素を作品に取り入れることで普段の風景の中にさらに「虹」を置いてみる・・風景があるという状況を作ってみたいです。

廃材はどのように作品になるのでしょうか?

廃棄されるものをもらってきて、それを見て触ってどういうことができるか考えます。うまく使えるようなものを見つけ出して今までやったことのないような取り組み方をしたいです。
具体的には、その一例として、(株)共立紙器製作所さんの段ボールの廃材をもらってきてどう使おうか考えました。段ボールは断面に特徴があり、断面から見える向こう側も作品に取り込めます。
断面が見えるように段ボールを切ってガラス面に貼り付けたパーツを作り、そのパーツ越しに空を撮影して作品にしようと思っています。空は「虹」の要素を含んだ光そのものです。
今回は、計4作品の展示になります。その他3作品も「虹」をテーマにして、色々な廃材を利用したものです。それぞれに置かれた「風景」をお楽しみください。